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Q21
企業の価値ということに関する次の5つの記述のうち、下線部に誤りがある記述は何番ですか。一つ答えてください。
A.割引キャッシュフローの考え方によれば株式の価値は「その株式が生むキャッシュフローの割引現在価値」で定義される。
B.企業価値が100億円、負債価値が20億円、株式発行数80万のとき一株あたりの株式価値は1000円である。
C.負債時価4000億円、株式時価12000億円のとき負債比率は約33%である。
D.β値というのは、株式市場に対する事業の不安定さを表し、一般的に新規事業のβ値は大きくなる。
E.無リスク金利2%、β値2、株式市場の期待収益率5%のとき、株主資本コストは8%である。
【回答】
A.割引キャッシュフローの考え方によれば株式の価値は「その株式が生むキャッシュフローの割引現在価値」で定義される。
不正解です。

(解説)
割引キャッシュフローは「すべての資産の価値は、その資産が生みだすキャッシュフローを投資家が期待する収益率で割引いた現在価値に等しくなる」という考え方のことです。 従ってこの定義によると株式の価値は選択肢中の定義となりこの文章は正しいことになります。

B.企業価値が100億円、負債価値が20億円、株式発行数80万のとき一株あたりの株式価値は1000円である。
不正解です。

(解説)
この文章は正しいです。
(株式価値=企業価値−負債価値)でもとめることができます。そして、その金額を発行済み株式総数で割れば1株あたりの株価が求まります。従ってこの場合、一株あたりの株式価値(100億円ー20億円)÷80万株=1000円となります。

C.負債時価4000億円、株式時価12000億円のとき負債比率は約33%である。
正解です。

(解説)
負債比率は負債時価/(負債時価+株式時価総額)で求まります。従ってこの場合、負債比率は4000億円÷(4000億円+12000億円)で25%が正解です。

D.β値というのは、株式市場に対する事業の不安定さを表し、一般的に新規事業のβ値は大きくなる。
不正解です。

(解説)
β値というのは、株式市場に対する事業の不安定さを表し、一般的に「既存事業→リスク低い→β小さい」「新規事業→リスク高い→β大きい」ということがいえます。従って、この文章は正しいと分かります。

E.無リスク金利2%、β値2、株式市場の期待収益率5%のとき、株主資本コストは8%である。
不正解です。

(解説)
株主資本コストというのは無リスク金利+β値×(株式市場の期待収益率−無リスク金利という計算式により求めることができます。従ってこの場合の株主資本コストは2%+2×(5%−2%)=8%で、この記述は正しいということが分かります。"
   

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