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Q27
資本構成と配当政策に関する記述として正しい文章を1つ選んでください。
A.企業の資金調達方法には大きく分けて負債と株式資本がありますが、どちらも返済義務はある。
B.株式のみの資金調達から負債と株式の両方を組み合わせた資金調達に変えると、一般的に利益の変動は小さくなる。
C.株主資本コストよりも低い負債コストの比率を高めれば加重平均コストは高くなる。
D.完全市場では資本構成の変化は加重平均資本コストに影響しない。
E.最近の傾向として株式は額面発行と時価発行のうちで、主流になりつつあるのは額面発行である。
【回答】
A.企業の資金調達方法には大きく分けて負債と株式資本がありますが、どちらも返済義務はある。
不正解です。

(解説)
企業の資金調達の手段は確かに、負債と株式資本なのですが、株式資本に関しては返済義務はありません。従ってこの文章は誤りであると分かります。

B.株式のみの資金調達から負債と株式の両方を組み合わせた資金調達に変えると、一般的に利益の変動は小さくなる。
不正解です。

(解説)
返済義務のある負債を持つということは事業のリスクに加え、財務に関するリスクも加わることになるため、利益の変動は一般的に大きくなります。

C.株主資本コストよりも低い負債コストの比率を高めれば加重平均コストは高くなる。
不正解です。

(解説)
資本コストというのは、負債コストと株主資本コストの2つから成り立っており、この加重平均を取ったものが、WACC(加重平均資本コスト)です。従って、株主資本コストよりも低い負債コストの比率を高めれば加重平均コストは低くなります。

D.完全市場では資本構成の変化は加重平均資本コストに影響しない。
正解です。

(解説)
これをMM理論といいます。負債コストと株主資本コストとを比較すると、株主資本コストが高く負債コストが低くなり、負債を利用することで、加重平均資本コストを引き下げることができます。 一方、負債を利用することで、株主資本コストが上昇してしまい、株主資本のリスクに加えて、財務リスクが加わり、その分だけ、株主資本コストが上昇するというわけです。すなわち、上記の2つの効果が相殺しあって、結果として、資本構成をどう変えようとも加重平均資本コストに影響はない、というわけです。

E.最近の傾向として株式は額面発行と時価発行のうちで、主流になりつつあるのは額面発行である。
不正解です。

(解説)
今日では時価発行増資が主流となり、収益性などに関する企業評価でも時価が重要視されています。配当率の持つ意味合いは薄れていきて、日本においても税引後当期純利益のうち配当へ分配される割合をあらわす配当性向の重要性が増しいるのです。
   

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