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Q46
業界を分析する手法として最も有効なのは、ファイブフォース分析:Five Forces Analysisです。それでは、次の「5つの力」に関する説明として誤りのある説明を一つ選んで答えてください。
A.「業界内の競争」―自社が属している既存の業界における競合他社との競争のこと。
B.「新規参入の脅威」―業界の収益率が高いと、新規参入業者が現れる。
C.「代替品の脅威」―自社の市場でのドメインを移すことにより競争を回避することで、代替品の脅威へ対抗することができる。
D.「売り手の交渉力」―売り手にとって自社(買い手)が重要な位置づけになっていない場合には、売り手の交渉力が強くなる。
E.「買い手の交渉力」―売り手にとって、特定の買い手への売上依存度が高い場合、買い手の交渉力が強まる。
【回答】
A.「業界内の競争」―自社が属している既存の業界における競合他社との競争のこと。
不正解です。

(解説)
業界内の既存の競争というのは、自社が属している既存の業界における競合他社との競争のことです。既存業界内の業者間で、価格競争、広告、新製品の導入等といった戦術によって市場シェアと収益を獲得しあう競争のことを指します。

B.「新規参入の脅威」―業界の収益率が高いと、新規参入業者が現れる。
不正解です。

(解説)
業界の収益率が高いと、新規参入業者が現れやすくなります。新規参入によって、業界は製品販売価格を下げたり、コストが上昇せざるを得なくなります。なお、新規参入の脅威がどのくらいであるかは「参入障壁」と「既存の業者の新規参入業者に対する報復を参入業者がどの程度であると予測するか」で判断します。

C.「代替品の脅威」―自社の市場でのドメインを移すことにより競争を回避することで、代替品の脅威へ対抗することができる。
正解です。

(解説)
この文章には誤りがあります。代替品への対抗は、価格を下げること、品質の改善などで、自社製品・サービスの顧客に対する価値を向上させること、自社の市場でのポジションを移すこと、業界全体として共同行動をとることなどが考えられます。しかし、ドメインの撤退は対抗ではなく、回避ですから誤りです。

D.「売り手の交渉力」―売り手にとって自社(買い手)が重要な位置づけになっていない場合には、売り手の交渉力が強くなる。
不正解です。

(解説)
自社(買い手)が売り手にとって重要な位置づけになっていれば、売り手の業績は自社によって大きく影響をうけるが、重要な位置づけでない場合は、売り手は自社によって業績に影響はないため、交渉力は強くなります。

E.「買い手の交渉力」―売り手にとって、特定の買い手への売上依存度が高い場合、買い手の交渉力が強まる。
不正解です。

(解説)
売り手の売上のうち特定の買い手への売上依存度が高まると、その影響力は強大となり、売り手の交渉力を弱めることになります。特に固定費が高いために、フル稼働で生産をしなければいけないような売り手の場合は、特に買い手の力は大きくなります。
   

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