日経Biz GTF

日経BizGTF

MBA流キャリアマネジメント塾
MBAドリル
eラーニング「通勤大学MBA実践講座」
Q51
次の5つのCAPMに関する記述として下線部が正しい選択肢を一つ選んでください。
A.国債は無リスク金利と呼ばれ、リスクがゼロである。
B.CAPMという資本評価モデルの概念であり、緻密な前提条件せいゆえに、現実的で、現在広く用いられている。
C.株主資本コストを求める際に用いるβ値は必ず正の値をとる。
D.株式市場プレミアムという指標は株式市場自体が昨年の株式平均利回りよりどれだけ高い利回りを提供できるかを表す。
E.国債の金利が3%で、株式市場全体の収益率が5%のとき、ある企業の株価は株式市場の変動よりも2倍大きく変動するなら、その企業の株主資本コストは7%である。
【回答】
A.国債は無リスク金利と呼ばれ、リスクがゼロである。
不正解です。

(解説)
国債は確かに「無リスク金利」と呼ばれていますが、リスクが完全にゼロだというわけではありません。帰ってこない可能性もあります。リスクが限りなくゼロに近いものに関して「無リスク」と定義されています。

B.CAPMという資本評価モデルの概念であり、緻密な前提条件せいゆえに、現実的で、現在広く用いられている。
不正解です。

(解説)
CAPMは広く用いられていますが、その問題点は現実を単純化してしまっていることだといわれています。CAPMには次のような前提条件があります。「投資家はみんなリスク回避的であるということ」「完全競争市場である。」「証券の取引費用はゼロである」などです。このために、緻密な結果は期待できません。

C.株主資本コストを求める際に用いるβ値は必ず正の値をとる。
不正解です。

(解説)
β値は株式市場に対する事業の不安定さを表す指標です。その値が正であれば、市場が上がれば、事業の株式があがることを示しています。逆に、市場が上がると株式が下落する事業もあり、そのような場合は、β値は負の値をとります。

D.株式市場プレミアムという指標は株式市場自体が昨年の株式平均利回りよりどれだけ高い利回りを提供できるかを表す。
不正解です。

(解説)
株式市場プレミアムという指標は株式市場自体が国債よりどれだけ高い利回りを提供できるかを表す指標であり、昨年のデータとの関連性を表すものではありません。

E.国債の金利が3%で、株式市場全体の収益率が5%のとき、ある企業の株価は株式市場の変動よりも2倍大きく変動するなら、その企業の株主資本コストは7%である。
正解です。

(解説)
株主資本コストは(無リスク金利+β×株式市場プレミアム)で定義されています。この場合「企業の株価は株式市場の変動よりも2倍大きく変動する」という記述はβが2であることを意味しています。さらに、株式市場プレミアムは(市場の収益率−無リスク金利)で表されます。従って株式資本コストは7%となり正しいことが分かります。
   

Copyright 2004 Nikkei Human Resources, Inc., all rights reserved.
Global Taskforce K.K., all rights reserved.
日経Bizキャリア グローバルタスクフォース 日経BizGTF