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≪連載・・・『謙虚さを自問する』@≫

〜☆Vo.4 キレるマネージャ??☆〜

〜現場の話題、落とし穴、失敗などに注目して考えるコラム〜

前連載では定義について、様々な角度から事例を用いてその難しさを考えてみました。いわば『論理』をつくる、という難しさについてのお話でしたが、新連載では、その論理をつくる難しさにある落とし穴として、特に180度対極にある人の意志や感情といった、よりアナログで人間的な面について考えてみたいと思います。

『謙虚さを失う第一歩:独りよがり思考』
先日あるリクルート出身者の方に聞いたお話ですが、離職の理由は『半径10mにある』そうです。踊る大捜査線風に言えば、『事件はいつもポジティブな理由だけ起こっているんじゃあない!』、『(ネガティブな理由によって)半径10m以内の現場で起きているんだ!』といったところでしょうか。

何をいっているのかといいますと、離職者のアンケートをとるとその多くがチーム内の人間関係、それも直属の上司に対する不満によるもの、という結果がでているそうです。

そういえば、実際、2001年に実施したグローバルタスクフォースのMBA同窓生アンケート調査でも、雇用先の選択時に、重視する点を挙げていただくと、1位が断トツで上司の質でした。

第一位『上司の質(47%)』
第二位『人事評価制度(21%)』
第三位『同僚の質(14%)』
第四位『部下の質(4%)』
備考『その他(14%)』

『なんとも現実的で表面的な・・』という感想をもたれましたか?いえいえ、ひょっとするとこの上司の質という答えは、以外と本質的で、現代の日本企業の組織の根底に存在する病巣かもしれないのです。

昨年『パワーハラスメント』という言葉が生まれ、話題となりました。いわゆる男性(女性)が女性(男性)に性的いやがらせをするセクハラの組織編です。つまり、権力者(マネージャ)が、部下(社員)に対してその権力(地位)の強さで部下の言論や意思決定、その他を押さえつけるという構図がいわゆる『パワーハラスメント』です。

3月のアーリーバード(パワーブレックファーストミーティング)でゲストスピーカーとして参加頂いた早稲田大学専門職大学院教授梅津氏(ケロッグMBA)の元生徒さんであった岡田 康子氏が、このパワーハラスメントという言葉を作られたそうです。

その後梅津教授も岡田氏と共著で『管理職のためのパワーハラスメント論』を出版されながら、多くのテレビ取材を受けられるなど大きな反響を呼びました。(この言葉が最近、しかも日本で生まれたというのはちょっとした驚きです・・)


『パワハラの原因』

ところでこのハラスメントは、何が原因で起こるのでしょうか。大きな要因は、自分の感情・相手の感情を上手くマネジできない、または、ストレスなどで、精神が不健康な状態である場合が考えられます。

たしかに業界内、企業内の人材の流動化が進まず、いわゆる『社内失業者』が存在し、一貫性のない成果主義による『いびつな競争原理』が発生している現在、スタッフのストレスマネジメントは重要で、大手各社も人事部から独立したメンタルヘルス支援の部署をアウトソースで設置(EAP:Employee Assistance Program) しているといわれています。

さらに、組織の中でもより大きな責任と権限を持つ管理者自身がストレスに負け、適正な意思決定ができない状態に陥っている、という点と、管理者の誤った意思決定が及ぼす組織への影響力の強さは、一般社員レベルの影響力に比べると遥かに大きい、という2点を考えると、管理者のパワーハラスメントの解決はより高い優先順位が与えられる重要な問題解決といえるでしょうね。

通勤大学MBAシリーズでも、4月に『メンタルマネジメント』というタイトルを追加しましたが、これは人の感情※をいかに適切にマネージするか、ということを扱います。(※正確には「情動」で、意味も多少異なりますが、ここではわかりやすさを重視し感情と統一します。※是非情動と感情の違いは辞書で調べて下さい)

大きく、自己の感情マネジメントと、対人の感情マネジメントに分けられ、さらに、自己感情マネジメントは(1)自己認識力、と(2)自己管理力に、対人感情マネジメントは(1)社会認識力、と(2)人間関係管理力にわかれます。

つまり、以下のとおりです。

(1)自己認識力自己の感情を理解する
(2)自己管理力自己の感情をコントロールする
(3)社会認識力相手の感情を理解する
(4)人間関係管理力相手の感情に影響を与える

上記の4つは、(1)⇒(2)⇒(3)⇒(4)と順番にマスターすべきであり、逆はありません。つまり、全ての基礎となっているのが自己感情マネジメントであり、これが崩れれば他の全てが崩れることを意味しています。

『なあんだ、自分の感情なんて、わかっているよ!!』

と思われた方、いいチャンスです。自分の日々の些細な行動から、見直してみましょう。実は、どんな優れたリーダーや歴史的な名経営者といえる人でも、難しく、マスターできなかったのが(1)の『自己の感情を理解する』こと、といわれています。優れたリーダーが謙虚さを失うのも、自己の感情を正しく認識できなくなるのが発端といえます。

人は経験や成功を積み重ね、環境が自分にとって居心地がよくなり、権限が大きくなり、地位や給料が増えると、自分の意思決定の正しさや、人格的な地位も向上したように錯覚してしまう、といいます。

これは、頭でわかっていたつもりでも、実際の行動ではそのとおり実行できないという、いわば環境の慣れであり、よっぽど自分自身で気をつけて染まらないようにしない限り、自分でも気付かないうちに、傲慢な態度や振る舞い、言動がでてくるものです。

『正しい意思決定と倫理観』

『常に正しく、公平な意思決定を、できているか』と問われるとちょっとでも考えてしまう人が多いのは確かでしょう。

ドラッカーが言っているように、マネジメントは部分最適でなく、全体最適の追求に尽きます。自分の保身や体面などを本当に1%でも考えていないか、モラルを追い続け、誰も見ていないときにでも、いかに正しい行いが出来るか。ゆるぎない倫理性を持てるか。

『自分の本能を信頼し、事実を評価し、あらゆる角度から情報を収集し、長所、短所の重み付けを行う。頭だけでなく、あなたの本心に問うてみて下さい。その答えこそが、正しい意思決定でしょう。』これは、Federal Reserve Bank of Chicagoの President& CEOであるMike Moskow氏がケロッグスクールのエグゼクティブMBAプログラムの卒業式で送ったメッセージです。

折りしもエンロン事件や大手監査法人のアーサーアンダーセン、通信大手のワールドコムなど、一連の不祥事と破綻が続きMBA同窓生を多く採用し、業界トップといわれてきた企業が次々と凋落していきました。

Moskow氏のメッセージは、『ビジネス能力とモラルのバランス』といった最も基本的且つ重要な原点に返り、ビジネスリーダーへ届けたものですが、これらの問題は組織内のチェック機能が働いていなかったことよりも、むしろ個人が正しい判断を下せなかったことが原因の根っこであったといえます。

つまり、とりもなおさず管理者のパワーハラスメントによって一人または少数の独裁的で不公平な意思決定プロセスによって会社全体の方向性を誤った方向へ導いていた、ということになるのです。これらは、現在のやり方や環境に溺れ、謙虚さを忘れかけた瞬間に顕在化する問題ですね。

これでも皆さんは自信がありますか?本当ですか?では、実際に自分・対人感情マネジメントのチェックをしてみましょう。

チェック●部下や同僚が自分の意見を否定しても冷静でいられますか?(事例?)
●自分の強みや弱みや限界を適正に(過大評価も過小評価もせず)理解していますか?(具体的に?)
●自分の短所やミス、過失を素直に認め、日々喜んで改善・成長できていますか?(どのようなものを、どのレベルで改善、成長できているか?)
●自己の状況(都合)よりも、組織全体の利益で思考・判断できていますか?(どのような場面で、どのような思考、行動できたか?いつ?頻度?)
●変化やチャレンジに、積極的かつ柔軟に対応していますか?(最近無視・拒絶した変化は?)
●相手の話に耳を向け、異なる価値観を受け入れる前提で会話ができますか?(どのように異なる価値観の相手と、どのように話しをし、まとめたか?)
●常に相手に共感し、適切なフィードバックを与えて、才能を育てていますか?(どのように共感し、相手は何を得たか?、どの程度、何が伸びたか?)

結果はいかがでしたか?
重要なことは、抽象的になんとなく頭では理解できている、というレベルではなく日々のこれまでの小さな行動レベルで、該当しないものが無かったかどうか、ということです。上司や同僚、部下など、直接相手に何気なく質問してみるのが一番わかりやすいチェック方法です。

7問全てYESの方は、次号は読んで頂く必要はないようです。

1つでもNOやグレーゾーンの答えがあった方も、がっかりしないで下さい。できていないものがあって当たり前です。これらは全て、『頭ではわかっていても、実行できない』といった類のものですから。ポーターやコトラーの理論を理解するよりも、この当たり前と思えることを実際に継続して実行するほうが100倍難しいといえます。

しかし、これらの問題も考えようによっては『含み益』です。これらの問題に気付き、1つでも解決すれば、100%仕事のプロセスと結果を改善できるのですから。

引き続き、次号では掘り下げてみていきましょう。

<『謙虚さ』を自問する!(次号も続く)>
☆Vo.5 『職務成績 or 人間関係?』??☆
連載“謙虚さを自問するA”

※本コラムに関するご意見はこちらまで gwp@global-taskforce.net


〜現場の話題、落とし穴、失敗などに注目して考えるコラム目次〜
通勤大学MBAシリーズその他の執筆を行うグローバルタスクフォースの編集部によるコラムです。体系的な知識や理論の整理を目的とするGTFの書籍群に対し、より実務的で現場よりのトピックを提供します。
※本コラムはメンバー向けのメールマガジンの中のコーナーを加筆修正したものです
Column1☆Vo.1 『ロジカルルシンキングは仕事に直結する?』☆ 
連載“定義を定義する@”≫ 
Column2☆Vo.2 『できる(はずの)ビジネスマンができない理由??』☆
連載“定義を定義するA”
Column3☆Vo.3 『ハーバードの落ちこぼれ??』☆
連載“定義を定義するB”
Column4☆Vo.4 『キレるマネージャ??』☆
連載“謙虚さを自問する@”
Column5☆Vo.5 『職務成績 or 人間関係?』??☆
連載“謙虚さを自問するA”
Column6☆Vo.6 『謙虚さVSプロフェッショナリズム』?☆
連載“謙虚さを自問するB”
Column7☆Vol.7 『実力 vs. 信頼 』?☆
連載“信頼される力とは@”
Column8☆Vol.8 『義理 vs. 論理的行動』☆
連載“信頼される力とはA”
Column9☆Vol.9 『朝令暮改 vs. 首尾一貫』?☆
連載“信頼される力とはB”
Column10☆Vol.10 『目的を考えないで突っ走ってしまいました症候群』?☆
連載“ニーズの認識とは@”
Column11☆Vol.11 『誰によって最善か』?☆
連載“ニーズを認識とはA”
Column12☆Vol.12 『お客さまは神様でない!?』?☆
連載“ニーズを認識とはB”

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