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≪連載・・・ニーズを認識し続けるとは@≫

〜☆Vo.10『目的を考えないで突っ走ってしまいました症候群』?☆〜

〜現場の話題、落とし穴、失敗などに注目して考えるコラム〜

●暴走機関車

ニーズを把握する・・・どこででも聞きますよね。下手すれば1日一回は誰か彼か「ニーズを把握する」というキーワードを使っているのでは?

例えば営業ではこんな風に。

(営業)「顧客のニーズは品質や値段だけじゃなくて、商品を使うための教育研修なんだよ」

企画部では、

(企画部)「顧客といったって法人顧客だけじゃないんだ。うちにとっては顧客は法人だが、その顧客である法人の"ニーズ"を把握するためには、その法人の顧客(最終消費者)が持つニーズも把握しないとだめだ」。

財務部でもこのように。

(財務)「そんなことにお金を使っていても投資家の"ニーズ"は満たせない」。

もちろん、経営者も。

(経営者)「株主の"ニーズ"は短期的な配当金だけじゃないはずだ。当社としての意志も明確にしよう。」


マーケティングでも営業でも財務でも経営者でも、「ニーズを把握せよ」というキーワードは議論をする際の枕詞のように日々聞かれます。ここで例をいくつか挙げましたが、別にストーリーにしているわけでも誰のニーズが重要かという話をしているわけでもないのです。


つまり、いわゆるマーケティング上の「ニーズをきちんと把握」しているかどうかという話ではなく、日々私たちの日々のコミュニケーションや一つ一つの仕事上の段取り、毎日のアウトプットなどがそもそも「目的(相手のニーズ)にぴったりと合っているかどうか」、ということです。

誰しもこのようなことがあると思います。


◎先週のうちにアポをとれなかったので、最短のアポが来週になってしまった。

◎膨大な量の仕事が一気にきてしまい、結局一番重要なミッションを間に合わすことができなかったがこれは量が多すぎたためしょうがない。

◎仕事をたくさん抱えて1つずつこなしているため、15分で終わる仕事に着手するのが結局1週間後になってしまった。

◎アンゾフの製品−市場マトリックスや3C分析など一通り使ったが、それぞれの「結論は?」と聞かれて沈黙してしまった(または薄ーいロジックでその場をしのいだ)

◎SWOT分析をやってみたが、結局強みと弱みしか使わなかった。(しかも相対的な強み弱みがどの程度かの裏づけをつけられなかったため意味がなかった)


これらがいわゆる『目的を考えないで突っ走ってしまいました症候群』です。「経営知識はあるが現場で使えない」といわれる人や、「いちいち作業を指示しないと動けない」テンプレート人間と呼ばれる人たちがこのような症候群の主な患者です。

しかしこれらは大小あれど人間である限り実は誰にでも必ず起こるもので、これらのミスを極限まで少なくすることはできても、ゼロにすることはできないのかもしれません。

ではどうすれば良いのでしょう?

逆に言えば、この症候群にかかってしまた人がまわりにいたとき、その人たちのミスを最小限にできるような「しくみ」を考えることが一案かもしれません。(もちろん自分に当てはまる場合も同様です)


こんな3つのチェックはいかがでしょうか。

(1)ニーズ(目的)を具体的に
掘り下げてヒアリングする
(例) 事業計画を作ってほしいといわれたとき(いったとき)それが何のための(どのような意思決定ができるための)事業計画か、 そして、そのためにどのような項目を特に掘り下げて、検討すべきか などを「突っ込む」(ここでの突っ込みが足りないとぼやける)。
(2)確認した掘り下げられたニーズ
(目的)を元に準備(設計)を考える
(例) そのために、どのような情報が必要で、どのように作業に優先順位をつけて、いつまでに、何をすべきか、もしそれぞれの 情報が収集できなかったら、何で代替するかを書き出す。(考えるだけでなく書かせる。ここで書けないような曖昧な仕事の進め方では、仮説思考ができず間違いなくリサーチだけで時間が過ぎてしまう)
(3)その確認された掘り下げられた
ニーズを継続的に確認しながら作業をすすめる
(例) 1週間後に自分が目的とちょっとずつずれていた作業をしていたのなら、確認する期間を3日ごとに、それでもだめなら1日ごと、1時間ごと、5分ごと・・・と極限まで自分に対するツッコミを入れて確認する頻度(このサイクルが短ければ短いほど目的とずれない)を多くする。

このように、すべきことは明確ですし、皆わかっていることではありますが、上記3つのステップのうち、最も軽視されているところが(1)ではないでしょうか。目的の掘り下げが中途半端でぼけていたら、出来たアウトプットやおこした行動を正しい方向へ導ける確率は皆無です。

一方、目的の掘り下げが完璧にできているのにアウトプットができないのは
よほどひどい物忘れの気があるか、緊張感(危機感)が足りないかのどちらかです。

さきほどの症候群チェックの事例を振り返るとこのようになります。

◎先週のうちにアポをとれなかったので、最短のアポが来週になってしまった。

⇒アポをとること自体は時間はかからない。しかし、相手がいる話であるため、時間調整に時間がかかることは明確

実際は、1秒でも先に(優先順位を高く)まず短時間で済むアポ取りを終わらせる必要があるにも関わらず、今日の午後のアポの企画書作りや社内MTGを先にしてしまった。

「今週のアポを埋めるためには(目的)」先週のうちにアポをとる必要がある、ということは分かっていても目的をきちんと考える努力が足りなかったといえますよね。 では、この場合はどうでしょう。

◎膨大な量の仕事が一気にきてしまい、結局一番重要なミッションを間に合わすことができなかったがこれは量が多すぎたためしょうがない。

⇒時間は皆ない(時間は自らつくるもの)

このような仕事の仕方では、じき派遣社員かロボットにとって代わられますね。「間に合わせるにはどのような仕事の順番、中身の精査、アウトプットの程度にすべきか」を考えることが「重要な問題を間に合わせて解決する」という目的を満たすための最初のステップ。すべき作業の洪水に溺れて、重要な問題を間に合わせる、という目的を考えることをやめてしまった典型であることを認識すべきです! ではこんなケースは?

◎仕事をたくさん抱えて1つずつこなしているため、15分で終わる仕事に着手するのが結局1週間後になってしまった。

⇒これもアポの例と同様。いくら緊急でなくても1つ終わらないと次の仕事ができない、というような仕事の仕方では重要な案件が2つ以上でてきたときクラッシュしてしまう。

そして、この場合は?

◎アンゾフの製品−市場マトリックスや3C分析など一通り使ったが、それぞれの「結論は?」と聞かれて沈黙してしまった(または薄ーいロジックでその場をしのいだ)

⇒アンチMBAの人事部長が良く言う「MBAは使えない」論の筆頭に上る事例。(もちろんアンチMBA人事部長のこの理論は「例外的な事例でロジックを作っている誤った理論」ですが・・・・・・少なくない気もします・・・・(苦笑)。)

もう一つ・・・

◎SWOT分析をやってみたが、結局強みと弱みしか使わなかった。(しかも相対的な強み弱みがどの程度かの裏づけをつけられなかったため意味がなかった)

⇒上記同様。(これも多いですね)目的を軽視しているので、「何のために経営のフレームワークを使うか」という最も重要なことをないがしろにして、掘り下げて考えないために起こる 

いわゆるロジカルシンキングでは物事の問題の原因や対策を追求するために原因や対策をモレ、ダブリなく(MECE)、しかも因果関係に注意しながら考えていきます。

しかし、途中のロジックやMECE以上に見落としがちなのが、最初の段階での「そもそも論としての目的の精査」です。

どうしても人は途中で引き下がることは苦手(嫌い)なようで、一度ある(独りよがりの)解釈の下リサーチや企画書、レポートをつくりだしたり、
ある方向性で行動をしだすと途中で引き下がることができなくなってしまうようですね。

つまり、立ち止まって今の自分の立ち位置を確認するということそのものがあたまから吹き飛んでしまうようです。

まるでギャンブラーです。「生活費まで使ってはいけない。このままでは破産する。」とわかっていても「ここまで使ってしまったらもう引き下がれない」と典型的な「勝つまで続ける」といった最悪の意思決定をしてしまいがちです。

多くの戦略コンサルでは、「1時間仕事をしたら必ず5分間仕事をとめて、考えよ」といったルールを設けていますが、まさに「目的と方向性がずれていないか」の確認をしているということですね。

戦略コンサルタントでさえ心がけないと落とし穴にはまってしまうのですから、その重要性はもっと再認識したいものです。

当然、部下に指導する際は「何でわからないんだお前は」的な指導でなく、当然、「ミスをしないために上司としてどうすれば良いか」という視点で考え、「ガイド(ステップ(1)〜(3)をチェック)する」などでメンバーを牽引していけるとベストです。

もちろん、(1)も(2)もできて(3)ができない危機感が圧倒的に欠如した人(または重度の物忘れの人)に対しては危機感を高めるための厳しい指導が必要かもしれませんが。

(Vol 11『お客様はかみさまでない』?☆へ続く)

ご意見・ご要望はこちらまで ( gwp@global-taskforce.net )

〜現場の話題、落とし穴、失敗などに注目して考えるコラム目次〜
通勤大学MBAシリーズその他の執筆を行うグローバルタスクフォースの編集部によるコラムです。体系的な知識や理論の整理を目的とするGTFの書籍群に対し、より実務的で現場よりのトピックを提供します。
※本コラムはメンバー向けのメールマガジンの中のコーナーを加筆修正したものです
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